あしなが写真倶楽部 撮影レッスン ステップ4
縦位置での撮影

しかし、横位置で撮るように設計されているカメラを縦に構えることは簡単ではありません。右のカメラマンのように、多少無理な姿勢で構える必要があり、疲れるし、手ブレもし易い。何か良い方法はないのでしょうか。

練習セッション F
縦位置の作品を三分割法で制作してみる
さあ、それでは実際に構図の三分割法を使って縦位置の作品を撮ってみましょう。バッテリーグリップを装着していないカメラの場合、縦位置での撮影は手ブレしやすいので、縦に構える練習をしてからチャレンジしてみて下さい。

2) もしファインダーやLCDモニターに三分割法のガイドラインやグリッドが表示できるのであれば、表示します。ファインダーを見ながら、主題(モデルやお花など)をガイドライン上に配置(動いて頂く)します。背景とのバランスを見ながら、カメラマン側でも微調整を行います。
3) 構図が決まったら、ファインダーを見ながらAFポイントを動かして、モデルであればカメラに近い方の目に、お花などであれば、花の中心に合わせます。ピントが合焦したら、即パシャリ! モデルの撮影であれば、瞬きをする場合がありますので、同じ構図で2、3枚撮影をしておきます。
4) 撮影した画をLCDモニターで確認します。縦位置の撮影は、水平方向の距離が短く、傾きやすいので、傾きのチエックも忘れずに。
5) 撮影の練習でモデルの方がいらっしゃる場合。全身の写真を撮る練習をしましょう。全身写真はファッションの撮影では必須。 頭の先から、靴の先までを写真の枠に収めて、なおかつモデルの目にピントを持ってくるのはかなりの練習が必要です。
また、撮影の姿勢ですが、片膝立ちなどの低い位置からの撮影が望ましいです。モデルの方はカメラマンと比べて、身長が低い方も多く、低い位置から撮影することで、モデルのスタイルを良く見せることができます。
その他 知っておきたい知識
1) ISO その2

ISOを上げると、イメージセンサーの信号は増幅されますが、同時にノイズも増えてしまいます。なので、あまり美しい画にはなりません。また、各カメラメーカーは、ISOが高い設定でもノイズが少ない機種の開発にしのぎを削っていますので、新しく発売されたモデルのほうが、ISOを高く設定する場面での撮影では有利です。また、後述にもありますが、ゆわゆる「フルサイズ」規格のカメラだと、高いISOで撮影をしても、あまりノイズが目立ちません。
逆に、屋外での撮影の場合はISOを100又は200で撮影をしたほうが、画質はキレイになります。(過去数年以内に発売をされたカメラであれば、ISO400まではほぼ良好な画質で問題なく撮影できます。)
2) RAWデータのデジタル現像処理とリタッチ

また、現像処理後、さらにリタッチのソフトウェアを使うことにより、肌の調子や、顔の各パーツまで調整をすることも可能です。お客さまによっては、このような修正を望む方もいらっしゃいます。
3) デジタル一眼レフカメラの規格について

APS-Cのセンサーは 23mm x 15mm = 345㎟
フルサイズのセンサーは 36mm x 24mm = 864㎟
従って、フルサイズカメラのイメージセンサーは、APS-Cカメラと比べて、2倍以上、大きい。そのため、設計に余裕があり、ノイズが少なく、明るい光から暗い光まで、捕らえることができる範囲が広い。ゆわゆる「高画質」な訳ですね。
また、レンズについても、それぞれの規格で設計されています。APS-C用のレンズはフルサイズのカメラに付けることはできません。フルサイズ用のレンズはAPS-Cのカメラに付けることができますが、APS-Cのカメラに付けると焦点距離が望遠側に1.5倍シフトします。つまり、同じ50mmのレンズを付けても、APS-Cのカメラはフルサイズのカメラに75mmのレンズを付けた場合と同じ写りになります。
一般的に、フルサイズのカメラ・レンズ共に大きく、重く、そして高価。これはイメージセンサーが大きいため、それに合わせて、レンズもミラーも、シャッター幕も大きくなり、それに合わせてすべてのパーツで強度と耐久性が要求されるためです。プロがフルサイズのカメラを使うのは、対価を頂くにあたり画質が求められるから。逆に趣味で写真を撮られている方であれば、APS-Cのカメラのほうが小さく、軽く、購入費用も安いので、向いていると言えます。
カメラは道具であって、それを使う方の知識、技術と美術的なセンスのほうがはるかに重要です。 美人図鑑 写真撮影教室でプロローグからレッスン4をマスターされたあなたは、APS-Cのカメラで撮ったとしても、カメラが好きでフルサイズ機を買ってしまったカメラオタクの方よりもはるかにすばらしい作品を制作できます。
レッスンを進めるにあたりまして
美人図鑑 写真撮影教室 プロローグからレッスン4までの受講、お疲れさまでした! あなたの写真撮影の腕は以前と比べ物にならないくらい上達しました、おめでとうございます。 ここから先はライティングのお話や、夜間の撮影など、さらに高度な内容になります。 そのため、レッスンを進めるにあたりましては、下記のような三脚や照明機器などが必要となります。



